「このまま定年まで働く自分が想像できない」
「家庭とのバランスを考えたら、この働き方に限界を感じている」
「40代になる前に、もう一度チャレンジしたい」
そんな思いを抱えながら働く30代後半〜40代の公務員の方は、実は少なくありません。
公務員としてのキャリアが中堅層へと進むにつれ、安定した地位と引き換えに、「このままでいいのか」と心の中で葛藤を抱える時期でもあります。
一方で、家庭や子育て、住宅ローンといった「守るべきもの」が増える年代。
転職の選択には、より慎重にならざるを得ません。
本記事では、30代後半〜40代の公務員が転職を検討する際に、後悔しないために考えておくべき『転職の軸』の見つけ方について、実体験を交えて解説します。
1.「転職の軸」とは何か?
「転職の軸」とは、転職先に何を求めるか、何を優先するかという、自分なりの価値基準のことです。
転職を考えるとき、「すべてを変えたい」と思う方も多いですが、現実的にはすべての希望を叶える職場は少ないのが実情。
だからこそ、自分の中で譲れないポイントを明確にしておく必要があります。
たとえば、以下のような観点です。
- どんな働き方がしたいのか(裁量、柔軟性、リモートなど)
- どんな職場環境で自分の力を発揮できるのか
- 何を実現したいのか(収入アップ、スキル向上、社会貢献など)
このように「軸」が明確になることで、自分に合わない企業を早期に排除でき、転職の失敗リスクを大きく減らせます。
2.自分だけの「転職の軸」を見つける3ステップ
ステップ①:今の職場に対する「不満」をすべて書き出す
どんな小さな不満でも構いません。遠慮せず、正直な気持ちで書き出してみましょう。
- 残業が多いのに正当に評価されない
- 上司や同僚と価値観が合わない
- 意見を言っても通らない閉塞感がある
- 年功序列でやりがいを感じない
こうした不満から、あなたが何に価値を置いているのか、何が苦痛なのかが浮かび上がってきます。
ステップ②:これまでの仕事で「やりがいを感じた瞬間」を振り返る
どんな場面で、「この仕事をやってよかった」と思えましたか?
- 市民対応で「ありがとう」と感謝されたとき
- 後輩に教えたことが役に立ったとき
- 企画を一から考えてカタチにできたとき
そこには、あなたが本当に大切にしている仕事観=転職の軸が隠れています。
ステップ③:5年後の理想の働き方を想像する
未来の理想像を描いてみてください。
- 自分の裁量で柔軟に働いている
- 収入が増え、家族にも余裕がある
- 尊敬できる仲間と目標に向かっている
- 新しいスキルを身につけ、成長している
この理想と今の現状とのギャップが、あなたの「転職の必要性」と「軸」を明確にしてくれます。
3.僕が公務員から民間に転職したときの「転職の軸」
僕自身、都道府県庁で約15年間働いたのち、40歳を目前に転職を決意しました。
そのときに大切にしたのが、以下の3つの「転職の軸」でした。
①精神的・時間的な余裕
3年間、異動を希望し続けてようやく移った先は、さらに厳しい職場でした。
ゴールの見えない業務、指示のない上司、過剰な業務を押し付ける同僚。
心身ともに消耗し続ける日々でした。
ちょうどその頃、子どもが生まれるタイミング。このままでは家庭を壊してしまう、自分が壊れてしまうという強い危機感から転職を決意。
だからこそ、「育児や家族と向き合うための余裕がある働き方」を何より重視しました。
これはポジティブな理由ではなく、“守るための決断”でした。
でも、ネガティブな動機でも、人生を変える強いエネルギーになり得ると感じています。
②収入の維持
転職に際し、妻から「収入が下がらないこと」が条件として提示されました。
家庭を持つ以上、ここは避けられない現実です。
そのため、年収を維持できるかどうかは、転職先を選ぶ際の大きな判断基準となりました。
③公務員としての経験が「通用する職種」であること
正直、公務員としてのキャリアで、僕に特別な専門スキルがあるとは思っていませんでした。
しかし、新たにスキルを習得してゼロから始めるのは、時間的にも精神的にも現実的ではない。
だからこそ、「調整力・段取り力・複数部署を巻き込む力」といった、公務員時代に身につけたメタスキルを活かせる職種にこだわりました。
まとめ:あなたの「軸」が、転職の成功を引き寄せる
30代後半〜40代の転職は、簡単ではありません。しかし、それでもあなたが「このままではいけない」と感じているなら、それは大切な人生の転機です。
だからこそ、転職の判断を焦らず、「自分にとって何が本当に大切か」を見極めましょう。
転職の軸を持つことが、後悔のないキャリア選択への第一歩になります。
そしてあなたのその切実な想いが、未来を切り開く力になるはずです。
公務員から転職を考えているあなたへ
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